『好き』を伝えたい
櫻井主任も…?

今まで櫻井主任とは飲んだことがない。
最後の最後にプレゼントをもらったような気持ちと、最後の最後に粗相しないように!というプレッシャーを感じてしまった。

でも、素直に嬉しい…
今夜はいい思い出になりそうだ。


定時をまわる。

私のココでの仕事が全て終わった。

フロアにいる一人一人にお世話になったお礼と、心ばかりのクッキーを配って歩いた。

櫻井主任のところにも向かう。

「櫻井主任、お世話になりました。本当にありがとうございました」

クッキーを差し出しながらお礼を言うと

「こちらこそ、お世話になりました。ありがとう。次のところでも頑張って下さい」

丁寧に返され、胸がチクッと痛んだけれど、私はもう一度頭を下げた。

「未来ちゃーん、行けるー?」

山下さんが出口で待っていてくれる。
私は『はい、今行きます』と返事をし、櫻井主任をまた振り返った。

「それでは失礼します!」

「ん、後でな」

そう言って主任は手をふった。

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