見えない・・心

···理人の家


大学三年も終わり
私は、まだまだ実習にはいる日が続いた。

四年になると卒論作りも入ってきた。

榎音は、実習と卒論作成の日々を
送っていた。

理人は、実習は三年で終わり
教員試験や卒論の準備に
明け暮れていた。

今日は、久しぶりに理人と
大学の帰りに会うことになり
私は、理人に借りていた本をかえそうと
持ってきていた。

待ち合わせのカフェにいると
理人から、ラインがきて・・・
『ごめん、遅くなりそう。』
『わかったよ。借りていた本を
持って来ていたけど。
じゃ、今度ね。』
『じゃ、俺ん家に持って行く?
俺も、急いで帰るから』
『う~ん、そうしょうかな?
折角持ってきたから。』
『たぶん、親父いると思うから。
親父には、連絡しとく。』
『えっ、お父様?』
『会わせろって、言ってたから。
調度いいかなっと。』
どぎまぎしたけど、理人に住所聞いて
理人のお家に向かった。

理人のお家は
都心だけど静かな所にあるマンションだった。

入り口で、ベルを押すと
解除されて
『どうぞ』
と、男性の声がした。
『はい。』
と、返事して中に入り
エレベーターに乗って
理人のお家の階で降りて
ベルを鳴らすと

ドアが開いて・・・・

立っていたのは・・・・

・・・・・えっ・・先生っ・・・・


・・・・・榎音・・・・・

  どのくらいだろうか・・・

私は、そのまま後ろに下り
立ち去ろうとした。

そんな、私の腕をつかみ
私を抱き締めたのは・・淕先生・・・

びっくりして、動けない・・私に
「榎音、ごめんな。」
と、言いながら頭を撫でた。

私は、慌てて・・先生の腕の中で
暴れたが・・・
先生は、ギュッと力を込めた。

「離してっ、離して下さい。」

ガチャっ・・・

「わぁっ、どうしたの?」
理人は、
玄関を開けると
淕に抱き締めらてる榎音をみて

「ああっ・・・理人。
私が、こけそうになって
お父様が、支えてくれたの。
すみません、ありがとうございます。」
と、震えながら、ごまかす・・・

「そうなの?ああ、榎音上がって?」

「いっ・・いえ、帰ります。
本、ありがとう。
長くかりていて、ごめんね。」
と、私は本を理人に渡して
玄関をでた。
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