見えない・・心
···ふるえる指
立ち去った榎音を理人は、
追いかけて・・
「あっ、榎音待って
どうしたの?慌てて
暗くなるから送るよ。」
と、理人
「ああっ、ごめんなさい
私は、大丈夫だよ。
一人で帰るから。
理人は、戻って。」
と、動揺を悟られないように
告げると・・・
「無理に決まっているでしょう。」
と、言いながら
腕を捕まれて・・・
抱き締められた。
自分の事で精一杯だった
榎音は驚いて・・思わず・・
「いやっ、離して!!」
と、理人の胸を押した。
そんな榎音に理人もびっくりして
思わず榎音から離れた
「ああっ。ごめんなさい。
びっくりして・・・・
ほんとにごめんなさい。
今日は、帰ります。」
と、言って
走ってその場から
離れた。
榎音は、謝ってくれたが
理人は、自分の中で
どうしてよいのか
わからなかった
家に戻って、父親に・・・
「父さん、榎音は何かあったの?」
「・・・・・・」
「父さん?」
「・・・・・・・」
「父さんっ、聞いてる?」
「えっ、あっ、理人?
あの子は?」
「あっ、うん。帰ったよ。
それより、何かあったの?」
「いやっ、嫌っないよ。なぜ?」
「う~ん、榎音が、何か変だったからさ。
本を渡された時、
触れた榎音の手が震えていたような」
「そうか。」
理人は、取り敢えず
榎音にラインして
『本当に大丈夫?
着いたら、連絡して。』
としてから待つことにした。