見えない・・心
···先生じゃない
お店について
二人で食事をしながら
当時の話やかすみちゃんの
話を沢山した。
不思議と理人の話や
先生の奥さんの話は、
出なかった。
ご飯を食べ終えて
二人で話しながら歩いていると
公園が見えてきて・・・
二人は、何も言わずに
そこに入ると
榎音は、プランコに乗り
「小さい時に乗ってから久しぶり。」
と、はしゃいでいた。
そんな榎音を見て
淕は、嬉しかった。
「先生、押して。」
「俺がか?」
「うん。」
と、言うから
淕は、榎音を後から押す。
「うふふっ、たか~い」
「榎音、危ないぞ。」
「クスクスっ、大丈夫ですよ。
先生、私いくつだと思って?」
「いくつだろうが心配なんだ。」
と、言うから
小降りにして、飛び降りると
少し高いヒールなのを忘れていて
グラッと
「危ない!!」
と、先生が支えてくれた。
「あっ、ありがとう····ございます···
ごめんなさい。」
と、言うが
先生は、何も言わずに
私を自分の胸に置いたまま・・
「・・・先生っ?
・・・・あの?先生っ?」
「・・・淕だ。もう、先生じゃない。」
「・・・・・・・」
「榎音?!淕と・・・。」
「・・・・・・・・」
「榎音?!」
「どうして?呼べないよ。
あのとき、先生への気持ちは
封印したの。」
「・・・そうだな、悪い。
俺が、そう仕向けたんだ。」
と、言って
先生は、私から離れた。