見えない・・心
···淕
淕・・
家で榎音に再会してから
考えて・・
ずっと、考えて・・考えて
やはり・・・
どんなに罵られても
憎まれても・・
もう一度、榎音に会いたい!
そして、榎音が
俺を受け入れてくれるなら
ただ・・・
もう辛い想いも
悲しい想いも
させたくない‥‥‥‥
だから、もう一度だけ会って
もし・・嫌がれたら
もう二度‥と‥もう‥‥一生‥‥
榎音には、会わない
関わらない。
例え、榎音が理人とこの先も
関わりがあったとしても。
俺は、榎音の大学へと行った。
理人とは、あれ以来
話をあまりしていない。
あいつも
教員試験と卒論で
バタバタしていたから。
かすみの顔も
頭に浮かんだが・・
大学に着き、待つことに
一時間、二時間と過ぎて行く・・
回りも暗くなり
帰るか?と、思っていたら・・
コツコツと、足音が‥
顔を上げたとき
榎音が見えた・・・
俺は、「榎音っ?」
と、口にだす。
榎音は、聞こえてないのか・・
「榎音っ?」
と、もう一度、口にすると
俺の目を捉えて‥‥
口が、「‥‥先生っ」
と、動いた。
その顔は、不安と怯えが見え
やはり・・ダメか・・・
と、思っていると
クスクス、笑い声が聞こえて
もう一度、榎音をみると
「あの頃の先生違う」
と、笑っていた。
その顔をみて
本当に、ホッとした。