見えない・・心
···私だけ幸せで良いのか
淕の勤める大学に着いて
・・待つ・・・
淕がいつ、終わるのか?
まして・・今日、出勤してるかさえ
わからない
だけど・・待つ
じっと、立っていると
回りの人から
『なに?』
『だれ?』
と、言った感じで
ジロ・・ジロ・・
そんな中・・
一時間‥二時間‥と過ぎ・・
夜の8時を過ぎた時・・
長身の体型に
さりげなくスーツを着こなし
遠目からみても格好いい
40過ぎても
人の眼を惹き付ける・・淕‥‥
駐車場の方に
歩いて行ってしまう
見失うかもと・・走る
「..はっ、はっ、り・・くっ・・」
聞こえるか、聞こえないぐらいの・・声
だが、淕は、ゆっくり・・
振り向いて...
びっくりした顔をしたが・・
見る見る・・と、怒った顔に
あ〰️あ、やはり・・
淕は、怒ってるんだ..
呆れられてるんだ..
そう、考えていると・・
フワッと..淕の匂いに包まれて
「えっ、り・・く・・」
「こんな時間まで、何で外に
いるんだ、馬鹿
危ないだろう!!」
「・・だって・・
・・だって・・」
ホッとして、言葉が出なかった。
「いつから、ここに?」
「・・三時間ぐらい前?」
「まったく、明るいお店にいるか
電話しろよ、俺が出勤してなかったら
どうしたんだよ。」
「場所を変えたら、淕を見失うかも・・
電話は‥‥出てもらえないかも‥‥‥」
「馬鹿な、俺が榎音からの
電話に出ないわけないだろ。」
「だって、この間は、電話途中で
切られたから・・・」
「‥‥まあ‥な。
あれは・・あの時は、
榎音の中に理人が
いるのも嫌だったし
理人の気持ちを考えてな。」
「ごめんなさい。
私だけ、幸せでいいのかと
思って、しまって」
「なら、榎音は
俺から、離れるか?
俺は、榎音が辛い事はしたくない。
例え、自分を抑え込んでも。」