見えない・・心

···まさか


私は、淕の気持ちを聞きながら

自分だけが、辛いんじゃない
淕は、理人の父親で
まして、一緒にくらしてるんだ
辛くないわけない。
それに、私は・・
私は・・淕が‥‥好き‥‥

だから・・
首を横に振り
淕の背中に、腕を回して
淕に抱きつくと

淕は、ギュッと
きつく抱き締めてくれた。

「やっと、俺の元にきた。
もう、離さない。
榎音、俺から理人には
話しをする、良いな。」
と、言われて
私は、コクンと頷いた。

すると、淕は、
私の顎を持ち上げて
そっと、私の唇にキスをした。

だんたんと、深くなるキスに
足が、ガクン‥‥と
なると、淕から車の助手席に
乗せられ
車は、動き出す。

車は、ホテルの駐車場へ。
そこで、降りて
淕から手を引かれて
ホテルの中へ
綺麗な大きなホテルだ。

淕は、手続きをして
カードキーをもらい
振り向いて
「おいで、榎音」と。
私は、淕に吸い寄せられるように
淕の元に行き
淕に肩を抱かれて
エレベーターに乗り込んだ。


まさか、その姿を
理人に見られていたなんて
私も淕も、気づいていなかった。
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