見えない・・心
10☆☆許せない・・心
···理人
理人・・
俺が、食事から家に戻る途中・・
親父の車がマンションの駐車場に
入って行った。
俺が、駐車場へと近づくと・・・
親父が助手席のドアを開けて
榎音をおろした。
榎音が不安そうな顔をしていたら
親父は、榎音を自分の胸の中に
おさめた。
「いつからなの?二人は。」
と、声をかけると・・
「「理人・ま・さ‥‥とっ?!・・」」
二人は、びっくりして
こちらを振り向いた。
「榎音は、俺をずっとだましてた?
親父は、そんな俺を笑っていたんだ。
親子なのに酷いね。」
「理人、榎音はお前を騙したり
していない。
俺達は、あの時に再会したんだ。
それまで、会っては、いない。」
「そう、そんなことどうでもいいよ。
俺は、純情そうな顔した榎音に
実の父親と、二股かけられて
捨てられたんだ?
おじさんのテクニックに
負けたの?
なら、俺も入れて三人でやる?」
と、言うと
ドカッと、親父から殴られた。
「お前を傷つけたことは、
悪いと思っているが
榎音を傷つけることは許さない。」
「まさ・・とっ‥‥ごめ‥‥ん
・・・ごめんっ‥‥な・・さい・・」
と、泣いて詫びる
榎音に尚更、イラついて
「チッ」
俺は、口元が切れて血が滲むのを
拭きながら、二人から離れた。
親父が、榎音を抱き締めたのを
目の端にとらえながら
俺は‥‥‥くそっ・・・
と、思っていた。