見えない・・心
···理人
理人・・
わかっている。
榎音が、俺と親父を二股になんか
してないこと・・・
榎音は、そんな娘じゃない。
だけど・・だけど・・
嫌みの一つ、二つ、いいたくなる
あんなに愛しそうな顔を
親父にするなんて
俺には、一度もなく‥‥
悔しかったし、情けなかった。
俺は、親父の話しを
聞いてるのか
聞いてないのか
わからない程で······
廊下が静かになり
親父が自分の部屋に入った音を聞いてから
マンションを出た。
必要な物だけを
鞄に積めて。
ホテルと友達の家を泊り歩き
気持ちの整理をする