見えない・・心
···報告
榎音との電話を切ってから
「もしもし、淕?
久しぶり?どうしたの?」
「本当に、久しぶりだな。
今、話せるのか?」
「うん、大丈夫だよ。
当直明けで、家だから。」
「そうか、それは良かった。
あのな、かすみに会って話したいことが
あるのだが、近い内会えないか?」
「ああっと、明日は休みなんだけど
明日でも、大丈夫?」
「ああ、構わない。」
と、話して電話をきった。
俺達は、知り合いの店で
会うことにした。
待ち合わせの場所に行くと
「淕!ここっ、ここ。」
「ああ、すまない。
早くきてたのか?」
「ううん、今来たよ。」
注文をしてから
飲みながら、話をした。
榎音の付き合っていたのが
息子の理人だったこと。
そんな榎音に再会したこと。
榎音を愛していること
榎音も同じ気持ちであること
榎音が落ち着いたら
籍を入れたいこと
だが、理人に二人の事を
告げる前にばれたこと
(榎音は、別れは告げていたが)
を話した。
かすみは、驚いていた。
だが、榎音の幸せが一番だと
言ってくれたが・・・
でも、兄と佑斗がね。
難関かも、と
笑いながら言った。
「でも、榎音がね。
やはり・・二人は・・
そうなる運命だったのかな。」
と。
「俺、近い内に荒垣さんに
挨拶に行きたいと思っている。」
「そう、淕、本気なんだね。」
「ああ、あの時みたいには
絶体ならないから。」
「わかった。息子とも話したんだね。」
「顔をみては、聞いてもらえてないが
俺の気持ちは、伝えた・・・
今は、わかって欲しいと言っても
無理かな・・と。」
「そうだね。
でもね淕、彼のおかげで、榎音は
一歩踏み出せたんだよ。」
「ああ、そうだな。
俺が、傷つけて
救ったのが俺の息子・・
なんか、複雑な気持ちだよ。」
「ふふっ、そうね。
まあ、なんかあったら
いつでも、言って。」
と、かすみは言ってくれた。