見えない・・心

···かすみ


かすみ・・・

何年ぶりかに・・淕から連絡で。
話をしたい、と。

淕の奥さんの葬儀で
淕を見てから久しぶりにあう。

年を忘れるほど
淕は、あの頃と変わっていなかった。

「かすみ。
妻の葬儀にも来てくれたんだな。
ありがとう。
それと、あの当時、榎音を傷つけて
すまなかった。」
「大変だったね。
挨拶したかったのだけど
ごめんね
淕の隣にいた子が
息子さん?

榎音の事は、大丈夫よ。
しばらくは、淕を忘れるのに
必死でね。
見ていられない事もあったけどさ」

「ああ、あれが息子の理人だ。
そして、榎音の彼氏だった。
二人は、俺の事はしらない。
榎音は、理人の父親が俺である。
理人は、榎音と俺が昔の事を、な。」
「ええっ、榎音の彼氏は、
淕の息子?
それは、びっくり。
なんか、運命を感じるよ
それで?その事を私に。」
「いや、理人が榎音と
家で待ち合わせをした時に
榎音と再会したんだ。

榎音は、俺との再会に悩んだみたいだ。
俺は当時の事も謝りたくて
再会から数日経ってから
榎音の大学に会いにいったんだ。

その日に謝罪と俺の気持ちを伝えた。
榎音は、当時の辛さを話してくれてから
俺を受け入れた。

理人には、榎音から
別れを告げたんだが
俺と理人の事を考えて
悩んだみたいだ。
俺は、あのときの事もあり
榎音が嫌がることは、したくなくて
榎音の考えに任せたんだ。

すると
榎音は、俺の大学に来てくれた。
もう、揺るがないと。
俺らのそんな姿を理人がみたらしく
責めてきた。
そんな理人に、経緯は話したが
家をでたみたいだ。
俺は、理人との親子の縁を無くしても
榎音を護る。
榎音と一緒になりたいと
思っている。
賛成してくれないか?
榎音が、仕事に着いて落ち着いたら
籍をいれたいと、思っている。」
「へぇ、淕とね。
なんか、ニヤニヤしてたり、
ご飯も食べれなくなるくらい
悩んだり、していたのは、
そんなことが・・・ね。
私は、榎音が幸せなら
問題ないの。
兄さんには、挨拶しないとね。
まあ、佑斗は・・
まあ、いいか、あいつは。
でも、淕、泣かせたらわかってるよね」
「ああ、二度はない。
必ず、幸せにする。」
「ふ~ん、淕がね」
と。
それからは、
かすみに冷やかされながら話をして、
その日は解散した。
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