見えない・・心
···繋がらない携帯
榎音は、直ぐにかすみに連絡した。
「かすみちゃん。
手がすいた時に連絡ください。」と。
すると
かすみちゃんから直ぐ電話があった。
榎音は、
「どうしょう?!
かすみちゃん!どうしょう?!・・・」
と、オタオタしていた。
「榎音?榎音!しっかりしなさい
落ち着いて話して!!」
と、かすみが怒鳴ると
榎音は、泣きながら
今の状況を話した。
かすみは、話を聞きながら
倒れた理人君の看病をする榎音の
優しさが、仇になったな
でも······
淕······
あんなに、真剣に
榎音の事を愛しそうに
話していたのに‥‥
どうしたものか
榎音に、
「これからどうするの?」
と、訊ねたら
「病気の理人を放っておけない。」
と、言うが、
「一度帰って着替えたい」
と、言うから、
私と少し変わることにした。
悲しそうな、辛そうな顔をして
いたが取り合えず
「早く帰りなさい。」
と、言って帰して
私は、理人君の様子を見てから
淕に連絡してみた。
だが·····
淕の携帯に繋がることは
なかった。
週明けにでも大学に問合せしてみるか
と、思っていながら
理人君の食事の準備をしていると
榎音が戻ってきたから
兄(榎音の父)に連絡しとくように
言ってから帰宅した。
榎音は、兄に連絡したみたいで
兄さんから、心配されて
訊ねられたから
「少し待って欲しい。」
と、話した。
榎音は、日曜日の夜に帰宅してきた。
理人君も落ち着いたみたいで
そちらは、ホッとした。
月曜日から、
榎音は、看護師として
理人君は、教師としての
初出勤となる。
なぜか、サワサワと風が
身体を通ってるような
感じで落ち着かない気持ちだった。