見えない・・心
···理人
理人・・・(過去)
荻野のあてた
お金を潤平に渡してから
俺は、すっかり
荻野の事は忘れていた。
俺は、教師の仕事との合間に、
榎音と会えるときに会ったり、
連絡したりしていた。
榎音も、希望の小児科に配属されて
日に日に忙しくなっていき
中々、会う時間も減っていた。
近況は聞いたりしていたが。
そんな生活の中
友人の潤平から電話がきて
荻野が臨月になること
出産の時は連絡する
でも、その時に来なかったら
二度と連絡もしないし
関わらないから
その時まで、考えておいて欲しい
と、荻野の友人から
連絡があったらしい。
えっ、荻野・・・?・・
子供??
どうなっている?
だが、教師をやっていて
子供達も可愛いし
奥さんが妊娠している先生もいて、
話が聞こえたり
街の中で妊婦さんがやたらと
目についたりしていた。
潤平から連絡がきて
走って病院に行く自分に
驚いていたが・・・
病院につくと
「ご主人ですか?
急いでください。
奥さん、頑張ってますよ。」
と、言われエプロンをされ
消毒して
分娩室に入ると
汗をかきながら
苦しそうに
フゥフゥ言ってる荻野がいいた。
荻野は、びっくりした顔をしていたが
俺は、荻野の汗を拭いたり
励ましたりしていた。
すると
かなりの力が入り
荻野の苦しそうな声の後に
「オギャア」の声
顔を真っ赤にして泣く赤ん坊
可愛いくて、たまらなかった。
俺は、病室で荻野を待ち
赤ん坊の父親にしてほしいと
言ったが
荻野は、俺が榎音を好きなのを知っている
から、責任とかなら無理だと言った。
だから、自分を知ってもらうのに
一緒に暮らそうとはなした。
俺は、親父に
マンションで暮らしていいか
訊ねると、好きにするように言われた。
詳しいことは、また連絡すると
伝えていた。