見えない・・心

···粋な計らい


それからは、一度話を終わらせて
披露宴に出席した。

理人が、かすみと叶夢の
席も用意してくれて
一緒に参加した。

叶夢は、淕の膝に座り
腹違いの兄にあたる
理人の話や
お嫁さんの蛍さんの話をしていた。

榎音は、初めて会い
その上、今まで父親の事は
何も話していないのに・・
淕にベッタリの叶夢をみて

自分の選択は・・・

ただの自分勝手な思い込みに
過ぎなかったのかと
考えていた。

その時‥‥‥‥

新郎・新婦から両親へ感謝を込めて・・・

蛍は、両親に
感謝の気持ちを伝え

理人は、父・淕へ
「僕にとって父は、
とても尊敬する人で
たった一人の家族でした。
そんな父ですから
幸せになって欲しい」
と、伝え
「僕と同じ年なのですが、
僕の母となる人と年の離れた弟を
この場で皆様に
ご紹介させて頂きたいと思います。」
と、言うと
榎音と叶夢に
スポットライトがあたり
涙が溢れている榎音に
蛍が、手を差し出して
「どうぞ、幸せになって下さい。」
と、伝えると
榎音は、
「あっ·····あり···が···とう····」
と。

すると、叶夢が
榎音の手を握り
蛍と二人で淕の所に連れていく

淕は、榎音をそっと抱き寄せて
「榎音、叶夢を産んでくれてありがとう。
一人で、苦労させてしまい
すまなかった。」
と、耳もとでささやくと
榎音は、首を振りながら
「私が、勝手にやったこと。
淕にきちんと知らせていたら
叶夢も、赤ちゃんの頃から
淕と入れたのに
ごめんなさい。」
と、言うから
「叶夢は、ママがいたから
幸せなんだよ。
お父さんやかすみや佑斗が
溺愛してくれたんだろ?」
と、淕。
「うん、スゴく」
と、榎音が答えると
淕は、クスクス
笑っていた。
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