誰も知らない彼女
私にその建物をじっくり見せることなく、磐波さんが軽い足取りでファミレスに入っていく。
偶然レジ近くにいた店員さんに空いている席を案内され、そこに座ることになった。
それぞれ向かいの席に座ったあと、すぐに磐波さんは隅に置かれたメニュー表を手に取った。
それはまるでなにを食べようかとわくわくしている子供みたいだ。
磐波さんはお腹が空いてるって言っていたから、野々村さんたちのことよりもご飯を食べたいという気持ちのほうが今は強いんだろう。
心の中でクスッと笑いながら、私もメニュー表を手にして見てみる。
ハンバーグにステーキ、パスタやオムライスにラーメンもある。
文字や写真を見るだけで私もお腹が空いてきた。
抜けだしたのは昼休みの最中だったので、用意してきたお弁当は食べたはずなのに、なぜかまたお腹が空いた。
食欲に負けたというか、食べ物の写真に誘われたというか。
どうしようかな。
「抹里ちゃんはどうする? なににする?」
「うーん……」
磐波さんから声をかけられてもメニュー表から顔をあげることなく、うなり声を出す。
なにを食べようかと迷っていると、出入り口付近で聞き覚えのある声が聞こえた。
その声に思わずバッと顔をあげてしまう。
嘘、来たの……?
偶然レジ近くにいた店員さんに空いている席を案内され、そこに座ることになった。
それぞれ向かいの席に座ったあと、すぐに磐波さんは隅に置かれたメニュー表を手に取った。
それはまるでなにを食べようかとわくわくしている子供みたいだ。
磐波さんはお腹が空いてるって言っていたから、野々村さんたちのことよりもご飯を食べたいという気持ちのほうが今は強いんだろう。
心の中でクスッと笑いながら、私もメニュー表を手にして見てみる。
ハンバーグにステーキ、パスタやオムライスにラーメンもある。
文字や写真を見るだけで私もお腹が空いてきた。
抜けだしたのは昼休みの最中だったので、用意してきたお弁当は食べたはずなのに、なぜかまたお腹が空いた。
食欲に負けたというか、食べ物の写真に誘われたというか。
どうしようかな。
「抹里ちゃんはどうする? なににする?」
「うーん……」
磐波さんから声をかけられてもメニュー表から顔をあげることなく、うなり声を出す。
なにを食べようかと迷っていると、出入り口付近で聞き覚えのある声が聞こえた。
その声に思わずバッと顔をあげてしまう。
嘘、来たの……?