誰も知らない彼女
疑問を抱いた私は、そのことを秋帆に尋ねた。
「ねぇ秋帆、朝丘さんのことはもういいの? また暴れるかもしれないよ?」
私が秋帆に話しかけたのは、由良がこの日休んでいたからだ。
学校に着く前にメッセージで【ごめんね、抹里。今日はどうしてもはずせない用事があるから】と送られた。
由良のことだからてっきり好きな人がどうなっているのか気になっているのかなと思っていた。
だけど、数日前ファミレスのトイレでスッキリしたと言っていたはずだ。
だとしたら、いったいどうして由良は休んでいるのだろう。
なんて思いながら首をかしげると、秋帆は肩をすくめてみせた。
「しょうがないよ。警察が来るほどの騒ぎになってるなら、朝丘をいじめても自分たちが疑われるだけでしょ」
たしかにその可能性はある。
警察沙汰になっているときに若葉を苦しめたりすれば、秋帆たちはもちろん、私まで共犯だと思われてしまう。
そうしたら、由良とも連絡が取れなくなるかもしれないし、磐波さんとも二度と会えなくなるかもしれない。
そんなのは嫌だ。
だけど、そこで疑うようなことを言われてしらばっくれても罪の意識から逃れることは不可能に近い。
それで私も闇の世界に足を踏み入れてしまう可能性も否定できない。
「ねぇ秋帆、朝丘さんのことはもういいの? また暴れるかもしれないよ?」
私が秋帆に話しかけたのは、由良がこの日休んでいたからだ。
学校に着く前にメッセージで【ごめんね、抹里。今日はどうしてもはずせない用事があるから】と送られた。
由良のことだからてっきり好きな人がどうなっているのか気になっているのかなと思っていた。
だけど、数日前ファミレスのトイレでスッキリしたと言っていたはずだ。
だとしたら、いったいどうして由良は休んでいるのだろう。
なんて思いながら首をかしげると、秋帆は肩をすくめてみせた。
「しょうがないよ。警察が来るほどの騒ぎになってるなら、朝丘をいじめても自分たちが疑われるだけでしょ」
たしかにその可能性はある。
警察沙汰になっているときに若葉を苦しめたりすれば、秋帆たちはもちろん、私まで共犯だと思われてしまう。
そうしたら、由良とも連絡が取れなくなるかもしれないし、磐波さんとも二度と会えなくなるかもしれない。
そんなのは嫌だ。
だけど、そこで疑うようなことを言われてしらばっくれても罪の意識から逃れることは不可能に近い。
それで私も闇の世界に足を踏み入れてしまう可能性も否定できない。