誰も知らない彼女
ジャージの袖をもとの状態に戻そうとする私をスルーして、由良がまた同じところをガシッと掴んだ。
再び襲う、女の子とは思えない強い握力。
爪の跡が残ったところを掴んだため、血が出ていかなかったところにうっすらと血がにじんだ。
痛みに再び目をつぶる私に、秋帆たちが追いかけて由良の行く道をふさぐ。
しかし、由良の目的は逃げることではなかった。
自分の爪に血がつくのもおかまいなしに不気味な笑みを浮かべたままの由良は、私たちにとって衝撃的な言葉を口にした。
「あは、バレちゃった。そう、私があの事件の犯人よ。好きな人までも殺しちゃうなんて、私って最高におもしろいよね。そう思うよね、抹里?」
なんと秋帆の言葉を肯定したのだ。
つまり、自分が男の人ばかりをターゲットとした連続事件を起こした犯人だと名乗り出たのだ。
嘘でしょ。
野々村さんがいなくなったのも、畠さんがいなくなったのも、いっちゃんの彼氏がいなくなったのも、秋帆の彼氏がいなくなったのも。
すべて由良のせいなの?
信じられない。
レストランに行った帰りに交わした約束なんて、どうでもよくなっている。
本当に由良が犯人なの?
だとしたら、外を歩くときに感じた奇妙な視線も由良のものなの?
やだよ。
親友が事件を起こした被疑者で、私にいつも恐怖を与えた視線の正体だっていうの?
再び襲う、女の子とは思えない強い握力。
爪の跡が残ったところを掴んだため、血が出ていかなかったところにうっすらと血がにじんだ。
痛みに再び目をつぶる私に、秋帆たちが追いかけて由良の行く道をふさぐ。
しかし、由良の目的は逃げることではなかった。
自分の爪に血がつくのもおかまいなしに不気味な笑みを浮かべたままの由良は、私たちにとって衝撃的な言葉を口にした。
「あは、バレちゃった。そう、私があの事件の犯人よ。好きな人までも殺しちゃうなんて、私って最高におもしろいよね。そう思うよね、抹里?」
なんと秋帆の言葉を肯定したのだ。
つまり、自分が男の人ばかりをターゲットとした連続事件を起こした犯人だと名乗り出たのだ。
嘘でしょ。
野々村さんがいなくなったのも、畠さんがいなくなったのも、いっちゃんの彼氏がいなくなったのも、秋帆の彼氏がいなくなったのも。
すべて由良のせいなの?
信じられない。
レストランに行った帰りに交わした約束なんて、どうでもよくなっている。
本当に由良が犯人なの?
だとしたら、外を歩くときに感じた奇妙な視線も由良のものなの?
やだよ。
親友が事件を起こした被疑者で、私にいつも恐怖を与えた視線の正体だっていうの?