誰も知らない彼女
あまりに派手に振る舞うため、クラス内の人望はなかったという。
中学時代は女王様のように振る舞っていたけど、秋帆という存在ができたからか、昔の失敗を取り戻すためか、少しおとなしくしたのだと予想できる。
由良と秋帆はそれぞれ違う中学に通っていた。
秋帆はなぜ、由良が“ブス戸”と呼ばれたことを知ったのだろう。
中学時代の由良のことを知っているのは、親友の私と、違う高校に進学した当時のクラスメイトだけのはずなのに。
もしかして若葉に嫌がらせをするときに誰かに聞いたとか?
答えを自分なりに出しながらも小首をかしげる。
私が眉間にシワを寄せた次の瞬間。
由良が思いっきり私の腕を離し、顔を真っ赤にして怒鳴った。
「てめぇに言われたくねぇよゴリラ‼︎ 顔黒いし、抹里に似てないのに抹里に似せようとして髪巻いて! そんなんだからネネたちみたいなクズな友達しかできないんだっつーの!」
今度は怒りの矛先がネネとえるに向いた。
ネネとえるは怒りの感情を表には出さないが、同じく顔を赤くした秋帆がふたりの代わりに言葉を由良にぶつける。
「はぁ⁉︎ なんだとキツネ女! 抹里っていう親友がいるからって調子乗ってんじゃねぇよ! それにクズ人間はお前だろうが!」
秋帆が声を荒らげた直後、ふたりは取っ組み合いのケンカをはじめてしまった。
誰も止められないふたりのケンカに、オロオロする子が続出する。
もちろん若葉もそのひとりだ。
中学時代は女王様のように振る舞っていたけど、秋帆という存在ができたからか、昔の失敗を取り戻すためか、少しおとなしくしたのだと予想できる。
由良と秋帆はそれぞれ違う中学に通っていた。
秋帆はなぜ、由良が“ブス戸”と呼ばれたことを知ったのだろう。
中学時代の由良のことを知っているのは、親友の私と、違う高校に進学した当時のクラスメイトだけのはずなのに。
もしかして若葉に嫌がらせをするときに誰かに聞いたとか?
答えを自分なりに出しながらも小首をかしげる。
私が眉間にシワを寄せた次の瞬間。
由良が思いっきり私の腕を離し、顔を真っ赤にして怒鳴った。
「てめぇに言われたくねぇよゴリラ‼︎ 顔黒いし、抹里に似てないのに抹里に似せようとして髪巻いて! そんなんだからネネたちみたいなクズな友達しかできないんだっつーの!」
今度は怒りの矛先がネネとえるに向いた。
ネネとえるは怒りの感情を表には出さないが、同じく顔を赤くした秋帆がふたりの代わりに言葉を由良にぶつける。
「はぁ⁉︎ なんだとキツネ女! 抹里っていう親友がいるからって調子乗ってんじゃねぇよ! それにクズ人間はお前だろうが!」
秋帆が声を荒らげた直後、ふたりは取っ組み合いのケンカをはじめてしまった。
誰も止められないふたりのケンカに、オロオロする子が続出する。
もちろん若葉もそのひとりだ。