誰も知らない彼女
心の中にいるもうひとりの自分に強く言葉をぶつけながらも、意識はネネのほうに向ける。
なぜかネネの表情が暗い。
明るい性格で笑顔を絶やさないはずなのに、今日のネネは浮かない顔をしている。
じっとしばらく顔を見つめていたら、ネネがはっと目を見開いて首を左右に振った。
「あっ、ごめんごめん! 体を震わせてた抹里ちゃんが心配だったから。抹里ちゃんのとこに来たのにはね、ちょっと話があって」
話がある?
それは、私にしか話せないことだろうか。
小首をかしげるが、ネネの次の言葉を待つことしかしない。
ネネがゆっくり口を開けて次の言葉を出したのは、その十数秒後だった。
それまでの間、言おうかどうかためらっていたような感じに見えた。
「じつはさ、昨日の夜から秋帆と連絡が取れなくなったんだ……」
「えぇっ⁉︎」
思わず声を張りあげてしまった。
私にとってネネの今の言葉が信じられないものだったから。
頭の中にその言葉を覚えさせるため、私はネネの言葉を繰り返した。
「秋帆と連絡が取れない? 昨日の夜から……?」
「うん。私、いつも秋帆とチャットで会話してるけど、私がメッセージを送っても秋帆からの返事が返ってこなくて……。秋帆のスマホに連絡したけど全然つながんないし、何回かメッセージ送っても返事来ないし。おかしいよね、秋帆がメッセージを返さないなんて」
なぜかネネの表情が暗い。
明るい性格で笑顔を絶やさないはずなのに、今日のネネは浮かない顔をしている。
じっとしばらく顔を見つめていたら、ネネがはっと目を見開いて首を左右に振った。
「あっ、ごめんごめん! 体を震わせてた抹里ちゃんが心配だったから。抹里ちゃんのとこに来たのにはね、ちょっと話があって」
話がある?
それは、私にしか話せないことだろうか。
小首をかしげるが、ネネの次の言葉を待つことしかしない。
ネネがゆっくり口を開けて次の言葉を出したのは、その十数秒後だった。
それまでの間、言おうかどうかためらっていたような感じに見えた。
「じつはさ、昨日の夜から秋帆と連絡が取れなくなったんだ……」
「えぇっ⁉︎」
思わず声を張りあげてしまった。
私にとってネネの今の言葉が信じられないものだったから。
頭の中にその言葉を覚えさせるため、私はネネの言葉を繰り返した。
「秋帆と連絡が取れない? 昨日の夜から……?」
「うん。私、いつも秋帆とチャットで会話してるけど、私がメッセージを送っても秋帆からの返事が返ってこなくて……。秋帆のスマホに連絡したけど全然つながんないし、何回かメッセージ送っても返事来ないし。おかしいよね、秋帆がメッセージを返さないなんて」