誰も知らない彼女
目を見開いている由良を正面から睨みつけ、肩で息を整える。
「はぁ……はぁ……っ。やめてよ由良! そんな姿の由良、もう見てられないよ。今までずっと仲よしだったのに、なんでそうなっちゃったの?」
言葉をポツリと口にした瞬間、目から大粒の涙があふれてきた。
ずっと思ってた。
ファミレスに来た日、なんでも相談に乗ると言っていた由良は、なんで狂ってしまったのか。
本当の理由はわからない。
視界がぼやても由良の顔だけは、はっきり見える。
狂いはじめてから一度も見たことがない表情に心が少し軽くなったが、完全に晴れやかとはならない。
悲しい。
ヘラヘラと笑いながら人を足蹴にしたり悪口を言う由良に、悲しさを覚える。
それに、そんな由良の気持ちの変化に気づけなかった私自身にも悲しさを覚える。
目から出てきた大粒の涙が床の木目にポタッと静かに落ちたそのとき。
うしろから荒い呼吸を整えるような息が耳に響いてきて、バッとそちらのほうに体を向ける。
ドアに手をかけ、苦しそうに息を整えながら立っている人物がいた。
その人物が知らない人だったら、スルーしていたかもしれないけど、そうするわけにはいかなかった。
「はぁ……はぁ……っ。やめてよ由良! そんな姿の由良、もう見てられないよ。今までずっと仲よしだったのに、なんでそうなっちゃったの?」
言葉をポツリと口にした瞬間、目から大粒の涙があふれてきた。
ずっと思ってた。
ファミレスに来た日、なんでも相談に乗ると言っていた由良は、なんで狂ってしまったのか。
本当の理由はわからない。
視界がぼやても由良の顔だけは、はっきり見える。
狂いはじめてから一度も見たことがない表情に心が少し軽くなったが、完全に晴れやかとはならない。
悲しい。
ヘラヘラと笑いながら人を足蹴にしたり悪口を言う由良に、悲しさを覚える。
それに、そんな由良の気持ちの変化に気づけなかった私自身にも悲しさを覚える。
目から出てきた大粒の涙が床の木目にポタッと静かに落ちたそのとき。
うしろから荒い呼吸を整えるような息が耳に響いてきて、バッとそちらのほうに体を向ける。
ドアに手をかけ、苦しそうに息を整えながら立っている人物がいた。
その人物が知らない人だったら、スルーしていたかもしれないけど、そうするわけにはいかなかった。