誰も知らない彼女
真犯人と動機
魂が抜けたように感じられる。
同じグループのメンバーのふたりが殺され、えるが病院で寝たきり状態になったとネネから聞いた一週間後。
風邪はなんとか治ったが、お母さんと担任の先生が念のため休んだほうがいいのではないかと言われ、仕方なく休むことにした。
学校に行ったほうが単位も取れて留年しなくなると私が説得するのも聞かずにさっさと仕事に向かって出かけていくお母さんを止めることができず、この日もひとりで留守番していた。
服装は制服でもパジャマでもなく、普通に私服。
べつにどこかに出かける予定などないのに、着替え終わった直後に私服だったことに気づいた。
階段を下りてリビングのほうに向かうと、可愛くラッピングされた袋がテーブルに置いてあった。
袋がクリスマス風のデザインなので、たぶん誰かへのクリスマスプレゼントをお母さんがラッピングしたのだろう。
風邪をひいたときがクリスマスまであと3週間というときだったので、今はクリスマスまで2週間と迫ってきていた。
外はすっかり雪化粧して、クリスマスムード一色。
だけど、私の心は晴れなかった。
クリスマスといえばプレゼントやケーキなどの豪華な食べものを楽しむこの月最大のイベント。
中学生まではお母さんや知り合い、友達からのクリスマスプレゼントをもらってテンションが上がっていたけど、さすがに高校生になるとそれもなくなった。