誰も知らない彼女
第2章

若葉いじめ


翌週の月曜日。


この日、私ははじめて遅刻をしてしまった。


めずらしく寝坊をしてしまい、準備をしているうちに登校時間が遅れたのだ。


スマホのアラームをセットしていたはずなのに、なぜかそのアラームが消されていたという事態が起こったのが原因らしい。


一緒に学校に行くと約束した由良がなんて言うか怖いと思いながらおそるおそる教室に入る。


ガラガラッ。


クラスメイトからの反応を見るのが怖くて、目を閉じながら教室に足を踏み入れる。


だが、数歩歩いてもなにも起こらない。


ゆっくりと目を開けると、クラスメイト全員がしゃべりながら自習をしていた。


予想外の光景に目をしばたたかせる。


呆然として動けない私の姿を見つけたらしい由良と秋帆が駆け寄ってきた。


「抹里、やっとで来たー!」


「おはよう、抹里」


普段ならここでキレるはずの由良も、笑顔で出迎えてくれた。


秋帆もやわらかな笑みを浮かべる。


「おはよう、由良に秋帆。さっそくだけど、これってどういうこと?」


自習をしているクラスメイトを指さしながらふたりに問いかけた。
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