誰も知らない彼女
画面を数回タップして、電話帳を開いた。
電話帳の最初に表示されている名前は“朝丘若葉”。
そのあとに磐波さんの名前が表示されている。
画面を見て小さく息を吐きだした直後、由良が私の様子に気がついた。
「あれ? 抹里、いきなりスマホいじっちゃってどうしたの?」
言おうかな。
このことを言えるのは由良くらいだから、言いたいこと全部言おうかな。
そう思ったときにはもうすでに遅かった。
「じつは、合コンが終わったときに朝丘さんと連絡先交換したんだよね……」
ボソッと消え入りそうな声でつぶやいたが、私のその言葉で由良と隣にいる子が目を大きくさせた。
びっくりしているのだろう。
私だってびっくりしてるよ。
あまり接点のない私と若葉が連絡先を交換するなんて予想していないから。
と思ったが、由良の持っていたシャーペンの芯がボキッと折れた音で我に返る。
「抹里……それ、本当⁉︎」
まるで信じられないとでも言うように顔を青くさせる由良。
その顔を見ても私はあっさりうなずけた。
「うん、本当だよ。ほら」
電話帳の最初に表示されている名前は“朝丘若葉”。
そのあとに磐波さんの名前が表示されている。
画面を見て小さく息を吐きだした直後、由良が私の様子に気がついた。
「あれ? 抹里、いきなりスマホいじっちゃってどうしたの?」
言おうかな。
このことを言えるのは由良くらいだから、言いたいこと全部言おうかな。
そう思ったときにはもうすでに遅かった。
「じつは、合コンが終わったときに朝丘さんと連絡先交換したんだよね……」
ボソッと消え入りそうな声でつぶやいたが、私のその言葉で由良と隣にいる子が目を大きくさせた。
びっくりしているのだろう。
私だってびっくりしてるよ。
あまり接点のない私と若葉が連絡先を交換するなんて予想していないから。
と思ったが、由良の持っていたシャーペンの芯がボキッと折れた音で我に返る。
「抹里……それ、本当⁉︎」
まるで信じられないとでも言うように顔を青くさせる由良。
その顔を見ても私はあっさりうなずけた。
「うん、本当だよ。ほら」