あなたしか見えないわけじゃない
危険な彼 2
気が付いた時にはもう遅い。
何故かスタッフ全体がイケメンドクターを応援しようみたいな目的の下、結束しているようだ。
イケメンドクターファンはどうしたんだ。
玉の輿を狙ってるナースや事務の女の子は何をしているんだ。
社食でランチを食べていると一緒に行った先輩がイケメンドクターを同じテーブルに呼ぶとか。
日勤していると私だけやたらとリーダー業務が多いとか。
その日のリーダーになると、回診の付き添いやドクターからの指示受けでドクターと一緒に過ごす時間が長いのだ。
飲み会に行けばナースだけと聞いていたのに、遅れてイケメンドクターが参加して私の隣の席に座っているとか。
もうこれは絶対仕組まれている。
イケメンドクターはにこやかに話しかけてくる。
木村さん達からの助言通り、逆効果になってしまうから冷たくあしらうのはやめた。
雑談にはそれなりに返事をする。
でも、私達が会話をするだけで周りが聞き耳立ててる中で何を話せと言うんだ。
かえって話しにくいわ。
遅番が終わって帰宅して寛いでいたら電話がなった。
早川だ。
「藤野~、お酒飲んでるぅ?」
「は?いきなり何よ。まだ飲んでないよ。今から飲むところ
「ふじのぉ、迎えに来てぇ」
「何言ってんのよ。あんた酔ってんの?誰と飲んでるの。まだ電車もあるし、イヤならタクシーで帰って来なさいよ」
23時半。終電前。
「イヤだー。迎えに来てぇ。藤野に会いたい」
「何てわがままな女だ」
全く仕方のないヤツだ。どこにいるか聞いたらみなとみらいだと。
「ちょっと待ってなさい」
電話を切ってルームウェアを脱ぎ、カットソーとスキニーに着替える。車のキーをつかんですぐに部屋を出た。
私の住んでいるアパートには駐車場はない。
アパートから徒歩3分の駐車場を借りている。
みなとみらいだと15分位か。
全く手のかかる友達だ。
指定された場所に早川はいた。
ハザードランプをつけ停車すると助手席の窓を開ける。
「早川、お待たせ。乗って」
「会いたかったよ、藤野」
早川は頬を上気させてへらへらと笑っている。この酔っぱらいめ、さっさと乗れ。
「わかったから、早く乗りなさいって」
「じゃ、お言葉に甘えて」
ガチャッとドアが開き乗り込んできたのはイケメンドクターだった。
「は?何を勝手に!」
何をするんだ、勝手に乗ってきて。
「ご覧の通り、私の車は2シーターで座席は2つしかありません。早川が乗れませんから下りてください」
「だって、早川が自分は関川先生が送ってくれるから藤野に送ってもらえって言ってたよ」
にこにこしながらシートベルトを着ける。
「はぁ?聞いてません。私はそんな話聞いてないし。ちょっと早川!はやかわっ!」
何故かスタッフ全体がイケメンドクターを応援しようみたいな目的の下、結束しているようだ。
イケメンドクターファンはどうしたんだ。
玉の輿を狙ってるナースや事務の女の子は何をしているんだ。
社食でランチを食べていると一緒に行った先輩がイケメンドクターを同じテーブルに呼ぶとか。
日勤していると私だけやたらとリーダー業務が多いとか。
その日のリーダーになると、回診の付き添いやドクターからの指示受けでドクターと一緒に過ごす時間が長いのだ。
飲み会に行けばナースだけと聞いていたのに、遅れてイケメンドクターが参加して私の隣の席に座っているとか。
もうこれは絶対仕組まれている。
イケメンドクターはにこやかに話しかけてくる。
木村さん達からの助言通り、逆効果になってしまうから冷たくあしらうのはやめた。
雑談にはそれなりに返事をする。
でも、私達が会話をするだけで周りが聞き耳立ててる中で何を話せと言うんだ。
かえって話しにくいわ。
遅番が終わって帰宅して寛いでいたら電話がなった。
早川だ。
「藤野~、お酒飲んでるぅ?」
「は?いきなり何よ。まだ飲んでないよ。今から飲むところ
「ふじのぉ、迎えに来てぇ」
「何言ってんのよ。あんた酔ってんの?誰と飲んでるの。まだ電車もあるし、イヤならタクシーで帰って来なさいよ」
23時半。終電前。
「イヤだー。迎えに来てぇ。藤野に会いたい」
「何てわがままな女だ」
全く仕方のないヤツだ。どこにいるか聞いたらみなとみらいだと。
「ちょっと待ってなさい」
電話を切ってルームウェアを脱ぎ、カットソーとスキニーに着替える。車のキーをつかんですぐに部屋を出た。
私の住んでいるアパートには駐車場はない。
アパートから徒歩3分の駐車場を借りている。
みなとみらいだと15分位か。
全く手のかかる友達だ。
指定された場所に早川はいた。
ハザードランプをつけ停車すると助手席の窓を開ける。
「早川、お待たせ。乗って」
「会いたかったよ、藤野」
早川は頬を上気させてへらへらと笑っている。この酔っぱらいめ、さっさと乗れ。
「わかったから、早く乗りなさいって」
「じゃ、お言葉に甘えて」
ガチャッとドアが開き乗り込んできたのはイケメンドクターだった。
「は?何を勝手に!」
何をするんだ、勝手に乗ってきて。
「ご覧の通り、私の車は2シーターで座席は2つしかありません。早川が乗れませんから下りてください」
「だって、早川が自分は関川先生が送ってくれるから藤野に送ってもらえって言ってたよ」
にこにこしながらシートベルトを着ける。
「はぁ?聞いてません。私はそんな話聞いてないし。ちょっと早川!はやかわっ!」