あなたしか見えないわけじゃない
結局、送別会はノンアルコールで乗り切り、二次会に顔を出した後、車を出して深夜、彼の新しい部屋に段ボールを運び込んだ。

これって、私何してるんだろう。
きっぱり断ればよかったのか、これくらいしてあげるのが彼女なのか?
愛されている実感もないし、ただ、一緒に過ごして雑用をこなしてあげている…のかな?


引っ越し前に段ボールを運んでおいたことで彼はご機嫌だった。
「やっぱり藤野だな。やってくれてると思ったよ」
そんな事を言われて、以前なら嬉しかったけど、今は何とも複雑だ。

そして、新居への引っ越しは無事に終わった。
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