あずゆづ。
俺が普通にパン食ってるとこ、キラキラした目で楽しそうに見てるし。
俺の秘密がよりによってあいつにバレて、どこで口を滑らせるかわかんねーから離れんなって言った。
そうは言ったところで、どうせ嫌がるんだろうとか思ってたけど
よろしくお願いしますとか言ってめちゃくちゃ気合い入れて頭下げてくるし。
―――だけど。
あいつが見ていたのは俺じゃなくて。
それに、聞いたところによると悠太に告られてたっぽいし。
『…ゆうちゃんと付き合うなんて……そ、そんな……』
秋と話してたときに、慌ててアイツが言ってたのは、
悠太に告られて返事に迷ってた時の反応だと考えれば合点がいく。
バカなあいつのことだ。
どーせ頭の中パニックになって、話してる内容と考えてる内容がごちゃごちゃになってたんだろう。
「……っ」
待て。
バカは俺じゃないか。
なんであんなメガネのことばっか考えてんだ、俺。
だからなんでこんなに、苛ついてんだ。
あいつが、悠太のモンになったって、別に構わねえじゃねえか。
俺には……関係ねえはずなのに。