あずゆづ。
「お待たせしました」
そうこうしているうちに、店員さんがパフェを持ってきてくれた。
「わあ~おいしそう!!」
「さすが王子のオススメのお店だけある……!!」
みんなの視線は運ばれてきたきらびやかなパフェに釘付けだったけど。
私はというと、もう……ドキドキして仕方がなかった。
だって、運んできたメイドさんが……
他でもない、ゆづくんだったからだ。
「……」
私は思わず、パフェをお盆から一つ一つ丁寧にテーブルへと移動させるゆづくんのことを、じーっと見てしまっていて。
そして、ふと、こんなに見つめてたらみんなに、この人がゆづくんだってことがばれちゃうと気づき。
目を逸らそうとした。
……が。
「!!」
ゆづくんが、あろうことか私ににこっと微笑んできてくれたのだ……!!
ど、ど、どうしたのゆづくん!?
笑顔なはずなのに、背後からはめちゃくちゃダークなオーラがおんおんと溢れ出てるよ!?
『ジロジロ見んなメガネ女!!!』
「……っ」
ゆづくんの視線から、なんかそう言われているような気がして。
私は慌てて、サッと下を向いた。