あずゆづ。


細められた目で、私を見つめながら綴られるゆづくんの言葉に、そっと耳を傾ける。


「悠太の所に行ったと思えば、野郎に絡まれて俺の方向いたり」

「……」

「かと思えば楽しそうに話したりよォ…」




片手で、口元を隠すゆづくん。


「っとに、意味分かんねェ…」



さっきまで着ていたのであろうワイシャツは、もう片方の手に握られていた。

黒いタンクトップは相変わらず似合ってる。


ああ、久しぶり……ゆづくんの上腕二頭筋……。


ああ、その口元を隠す腕の、腕橈骨筋が相変わらずたまらな……。


「ふぶふぉっ!!」

「はあああ!?」


久しぶりに意識してゆづくんの筋肉を見たものだから。

たまらず鼻血を噴射してしまった私だった…。



< 120 / 204 >

この作品をシェア

pagetop