あずゆづ。

「あ、あの……!! これは…その……っ」


や、やばいよ!?

な、なんて言い訳したら……!!

答えようによっては間違いなく怒られる!!

っていうかそもそも私が悪いんだけど、どうしよう……ごまかしもきかない!!


そ、そうだコレは夢だったんだ!!


「ぃでででで……っ」



こんな悪夢ならさっさと目を覚ましてやる!!

そんな気持ちで勢いよく自分のほっぺたを引っ張るが、痛い以外何も状況は変わらなかった。


……意外にも、自分のほっぺたが柔らかかった。


ってそんなことはどうだっていいでしょ!?

うわあんきっとゆづくんめちゃくちゃ怒ってるんだ……!!!


恐る恐るゆづくんを見る私。


「…………」


私をしばらく見ていたゆづくんは、

慌てる素振りもなくひとつ、ふうっと小さくため息をついた。


あー……やばい。

今度こそ、嫌われちゃった……!!


ため息つくくらい、嫌だったってことだよね!?


その、私にキス……されたこと……。



「あ、ご、ごめんねゆづくん…っ」



やだ。


やだ。



「き、嫌わないで……っ」



ゆづくんの、タンクトップの裾をぎゅっとつかむ。


やだ。


「もう、口をきいてもらえないとかやだ…っ」


ぎゅっと、目をつぶった。



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