あずゆづ。

「……っ」


その時だった。


「!?」


ふわりと、ゆうづくんに抱きしめられた。


「マジで……人を振り回すのも大概にしろよ……っ!!!」

「え……っ」


少し体を離して、私の顔をのぞき込んでくるゆづくん。


「順番が、ちげーだろ」

「……じゅ、じゅんばん……?」


ちゃんと私を見て離してくれたことが嬉しくなって、思わずたまった涙が頬を伝った。


「お前、告られてんだろ。……悠太に」

「あ……」


私の反応を見て、大きくため息をついたゆづくん。


「まさかてめぇ……この期に及んで忘れてたわけじゃねえだろうな」

「あ、はは……」


私は、とりあえず笑ってみた。

が、ゆづくんが怒るでもなく怒鳴るでもなく、ただただ真面目な顔して私を見てくるから。



「……忘れてました……」

「はあ!?」



素直にそう白状すれば、片手で自分の頭を抱えたゆづくん。



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