あずゆづ。
「あいつ、女子の中でも人気の方だろ
そんな奴から告られといて忘れるとか……普通はねぇだろ……」
「……え、だって…」
ぎゅっと、両手をグーにして握りしめ、ゆづくんに向かってすぐさま反論する。
「だって私、ゆづくんのことで頭がいっぱいだったんだもん!!」
「………」
あれ?
なんか、おかしなこと言ったかな???
ゆづくん、なんでそんな驚いた顔して私を見るの?
「お前は……なんでそこまで俺のこと考えてんだよ」
ため息をつきながら頭をかいていたほうの手で、今度は顔全体を覆ったゆづくん。
けど私は負けじと続けた。
「だって気づけば、ゆづくんのことばっかり考えてるんだもん!!
喫茶店でも、ゆづくんのことばっかり見てたし、それにそれに……」
「だーっ、うっせえ!!」
「!?」
私の言葉を遮るように、また強く抱きしめられる私。