あずゆづ。
じっと、その様子を見ていたとき。
「…………」
ふと、ゆづくんと目が合った。
「………」
すぐに、目を逸らされてしまったけど。
……大丈夫。
空回りしたっていい。
一生懸命話すって決めた。
今、私が抱いているこの感情が何なのかも、原因も、まだわからないけど。
それでもこの人は、ちゃんと私の話を聞いてくれるはずだから。
「じゃ、行こうか梓ちゃん」
「あ、うん……」
ゆうちゃんに手をつかまれ、取り巻きの女の子たちの悲鳴を浴びながら、教室を出た私たち。
「……」
そんな私たちを、ゆづくんは横目にそっと見ていた。