あずゆづ。

今日のゆづくん。

破壊的にかわいいです。

おっきい犬みたい。

くすくす笑ってメガネをかけ直し、再度教科書に目を移す。


「これはね、このAにこの数字が当てはまるわけだから」

「……」


ゆづくんに名前で呼んでもらえたことが嬉しくて、上機嫌な私は自分のノートに図形を書いて、なるべくゆづくんがわかるように説明する。


「……で、こうなるんだけど……

こんな説明で、わかるかな?」


『んな説明でわかるわけねえだろ!!!』


と、怒られてしまいそうで恐る恐るゆづくんを見ると。


「………」


意外にも真剣な顔で私の話したことを聞いていたゆづくん。

お世辞にも上手とは言えない字で、自分のノートに書き取っていた。


「……なんだよ」


私の視線に気づいたゆづくんが私を見る。


「あ、な、なんでもない…」


今度は私が、ゆづくんから目を逸らしてしまったのだった。


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