あずゆづ。
***

「面目ないデス……」

「てめえマジふざけんじゃねーぞ」


鼻血を噴射してしまった私を、ゆづくんが近くの公園まで連れてきてくれた。
そこで2人でベンチに座って、鼻血が止まるのを待っていた。

ここまでで、ゆづくんはなんだかんだでちゃんと傍にいてくれる優しい人なんだと再確認できる。

ティッシュで鼻をおさえながら考えていた。

……そういえば、体育の後、6限もあったはずだ。
もしかして終わってから迎えに来てくれたのかな。

しかもそのあと、私が目を覚ますのも待っててくれてたってことでいいんだよね?

今だってすごく嫌そうだし、早く帰りたそうにしてる。

だけど、文句は言いつつも先に帰らずに私の隣に座って機嫌悪そうに貧乏揺すりをしている。


「ったく、なんで俺がこんなこと…!!」

「あの」

「ああ!?」


な、なんで呼んだだけでそんなにキレられなきゃいけないんだろう。

なんて言ったらもっと怒られそうだったので内心でそう思いながら、私は思い切って口を開いた。


「ゆづくん、どうしてこんなに良い筋肉してるの?」

「………あ?」

「………あ」


バカ私!!!

なにド直球でマニアックなこと聞いてるのよ!?


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