あずゆづ。
「……ゆづくん……」
「あ?」
ゆづくんのワイシャツをきゅっと握りしめて、
ゆづくんの名前を呼んだ。
「もしも、私がゆづくんのこと…」
恥ずかしさを押し殺すように、
下唇を噛みながらゆづくんを見上げた。
「……好きって言ったら……どうする……?」
「……」
ゆづくんは、眉一つ動かさずに、
その赤い瞳でまっすぐ私を見つめていた。
「バーカ」
しかしすぐに、いつもの意地悪なゆづくんの顔になる。
そしてその大きな手で私の両目を覆った。
「な……!!」
人が、勇気出して言ってるのに……!!