あずゆづ。
***

「いっただっきまあ~しゅ!!」


元気よく声を出してから、テーブルに並べられた朝食をフォークで食べる梓。

俺はそんなこいつの姿をじーっと見つめていた。


よく、そんな平気でいられるものだ。


なにせ、自分の体が幼稚園児のように縮こまっているのだから。


なのに、目の前の恋人は


悠長に人の作った朝飯をかっこんでおいしそうに笑っていた。



「おいひい~っ」

「黙って食え」

「ゆづくんはたべないの??」

「それどころじゃねーだろ」


ったくこいつは…人の気も知らねえで。


はあ、とため息をついた時だった。


「ゆづくん」

「んだよさっきからうっせーな……」


ギンッと梓に視線をうつすと。


< 201 / 204 >

この作品をシェア

pagetop