あずゆづ。
***
俺は確かにアホかと叫んだ。
しかし気づけば、俺は教室の机に突っ伏していた。
時計を見るとちょうど昼時で。
「ゆづくん!!」
遠くから、俺を呼ぶ声が聞こえた。
見ればそいつはさっきまでの子供の姿じゃなくて。
「お昼!食べに行こうっ!」
俺のよく知る、和泉 梓だった。
「おー」
だるく返事をしてゆっくり体を起こす。
机で寝ると背中が痛くなってしゃーねえや。
横で楽しそうにぺちゃくちゃと話しながら弁当を食べる君を見て。
幼い君もいいけれど。
「……ま、俺も男だからな」
「何言ってんの?」
「こっちの話だ」
俺が好きになったのは
紛れもなく、『今』の君だから。
「……フォーク使うか?」
「え、なんで!?」
ガラにもなく、思った。
こんな時間がずっと続くようにと。
……Fin.