あずゆづ。
「えっと…確かこの辺から…」
急いで走り出し、少し先の校門までたどり着くが、ゆづくんの、パーフェクトマッスルの姿はない。
あと一歩遅かったかな…。
そうは思いつつなかなか諦めがつかない私は、辺りをきょろきょろと何度も見渡す。
「……………いた!!」
校門を出てまっすぐ行ったところにゆづくんの後ろ姿発見!!
やはり私の家とは反対方向の道だった。
そしてなんということでしょう。
すでにゆづくんはワイシャツを脱いでタンクトップ姿になっていたのだった。
待ってもうどんなサービスなんですかゆづくん!
「うわあ……改めて見ると素晴らしい僧帽筋と三角筋…!!」
こんなに遠くからでもわかるくらい、観察し慣れている自分を誇りに思う。
今見えている部分を拝むだけでも大満足だ。
けれどここで引き下がれないのが筋肉フェチのプライドってやつですよ。
ああ、できればその下の広背筋も見たい……!!
新たな欲望と、さらなる未知の筋肉への期待に胸を膨らませながら、私はゆづくんを追いかけて走り出した。
そして、ゆづくんまでの距離が先ほどよりもぐっと近づいた頃。
できるだけ電柱などに隠れつつ、観察を続ける。
少し腰を丸めて若干の前傾姿勢。
がに股でずかずかと歩いているゆづくん。
それでもブレない筋肉……!!(意味不明)
素敵すぎるよ、ゆづくんの筋肉………っ!!!
ああ、私……。
今ならイナバウアーできちゃうかも。