あずゆづ。

え!?

ま、待って!?

何今の!? 空耳!?

ズサササッとゆうちゃんから数メートル後ずさった私。

そんな私を少し微笑みながら見つめていたゆうちゃんに、私は動揺を隠しきれないまま口を開いた。


「今…なんと……???」

「いや、ごめんね急に」

「…………」


夕陽の……せいでしょうか。


ゆうちゃんのほっぺが……少し赤い気がしますよ……?



「俺、さ」

「………」


ゆうちゃんが、下を向きながら、片手で口元をかくしながら。

小さくぽつりぽつりと呟くように続けた。


「梓ちゃんのこと、結構前から好き…だったんだよね」

「………!?!?」


好きって!?

好きって友達として!?


そうに決まってるよねだってクラスの王子:ゆうちゃんともあろう人がこんな私なんかを好きになるわけないよね!?

ね!? ゆうちゃん……!!!


「もちろん一人の女の子として!!」

「っ」


両手をグーにして、目をぎゅっとつぶって。

ゆうちゃんは小さな子供みたいな表情で、私にそう言いました。




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