あずゆづ。
ゆづくんの傍を離れません!!
それは、突然だった。
「おいメガネ女」
朝、教室にて、声をかけられた。
私はギ、ギ、ギ……と、さびた音を立てながら首だけを声がした方へ向ける。
「な、なんでしょう……ゆづくん……?」
そう。
私に声をかけてきた人は他でもない、パーフェクトマッスルの持ち主:ゆづくんだ。
気性も言葉遣いも荒い、ある意味で有名なゆづくんは、基本的に女の子と話してるところをあまり見かけない。
だからだろう、クラスのみんなの視線がいっせいに私たちへの方へと集まった。
もちろんひよりも、何事かと言った表情で私たちを見ている。
しかし当の私はというと、まっすぐにゆづくんのことを見ることはできなかった。
なんでかって?
怖いのももちろんありますが……。
だってだって、昨日の光景が頭に焼き付いて離れない。
だってまさか、この鬼の形相のゆづくんが、め、め……
「メイドふ……「死に晒せえええ!!!」」
ゆづくんの叫びによって遮られる私の言葉。
シニサラセ……??
あまりの言葉に目を丸く見開く私。
「メガネ女、てめえちょっとツラ貸せよ」
「お?」
そんな私を気にも留めず、ゆづくんは私の腕を力強くつかむ。
「おおおう?」
そのままぐいっと引っ張られ、私は無理矢理立ち上がらされる。
……さすがパーフェクトマッスル。
本気で抵抗するも、びくともしない。
なすすべも無くなった私は、ずるずると引きずられながら教室から引っ張り出されてしまった。