あずゆづ。
1人馬鹿みたいに焦って涙目になる私を見て、ひよりは呆れたようにため息をついた。
「はあ……ほんとバカ」
「う」
十分承知してます…。
「ゆっくりでいいから、とりあえずさ」
しかし予想に反して、優しくぽんっと私の頭の上に乗せられたひよりのあたたかい手。
「…あんたが今一番悩んでること、話してごらんよ」
私が今、一番悩んでること……?
「……えと…」
ひよりは、こういうとき、ずるい。
何かを察したようにちゃんと、私のペースに合わせてくれる。
しかもいつもズバズバ容赦なく話すくせにこういうときだけは優しい。
……わかってくれてるんだなあ、私のこと。
なんか、それを考えると嬉しくなっちゃうな。
「あのね、昨日ゆうちゃんに告白されちゃって」
「えええ!?」
「…あ、やっぱりびっくりするよね…」
ひよりでも、目や口を真ん丸に開けて驚いている。
きっとひよりじゃなくったってびっくりするんだ。
そんなことを、今まで忘れてたんだな私…。
ほんとバカだよ…。