あずゆづ。

「……見つけた……っ!!!」


そんな切羽詰まったような声がして、はっと目を見開いた。


「!?」


ゆうちゃんも驚いたように声のした方を見る。

私も慌ててゆうちゃんと同じ方向を向く。

そうして、自然と二人の距離が空いて、私は思わず膝の力がかくんと抜けて。


「あっ……」


その場に座り込んでしまいそうになったとき、またもや掴まれる私の腕。


「っ!?」


だけど、さっきのゆうちゃんに掴まれた時とは違う、もっと強引な力だった。


「返せ、バァカ!」


……けど、誰かなんてすぐに判断できた。

だってこんなに力強く強引に、それでいて荒々しく私の腕を引っ張る人なんて。


「こいつ、俺んだ」


……この人しかいないじゃないですか。


「ゆづくん……っ!!」


不思議だ。

ゆうちゃんより優しくないのに。

ゆうちゃんより強引なのに。

ゆうちゃんより怖いのに。


なのに、こうして腕をつかまれて、安心してる自分がいるなんて。

不思議だ。

……今は、こわくない。


「……ひょあっ!?」


ゆづくんは腕ごと、私の体を引き寄せたかと思ったら、さっきと同じように軽々と私を担いだ。

そのせいで、私はゆづくんの背中側に上半身が向けられており、ゆうちゃんの方が全く見えずに、二人の状況がどうなってるか分からなくなってしまった。


「ゆゆゆゆづく……!?」

「………」

「………」


その状態でしばらく、ゆづくんとゆうちゃんは見つめ合っていた(?)みたいだけど。

いかんせん私の視界は、ゆづくんの大きな背中で遮られているものだから状況が全くつかめない。


えっとえっと、どうしたらいいの!?

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