あずゆづ。
「……」
なんか、私…変だ……。
以前ゆづくんに抱いていた気持ちとは違う何かが、ある。
恥ずかしいのに、一緒にいたい。
一緒にいると、ほっとして、嬉しくて。
……自分が自分じゃないみたいだ。
胸のあたりがぽかぽかあったかい気持ちになるんだ。
嫌なドキドキじゃない。
苦しいドキドキじゃない。
目の前にある大きな背中も、
ぶっきらぼうに振り返るのも、
一見ケンカのようなやりとりも、
きっと、ゆづくんだから、こんなに安心するんだ。
でも、それがどうしてか、というところまで考えが行き届かないし、そんな余裕もない。
……今度、ひよりに聞いてみよう。
あの子頭いいしなあ。
そんなこんな考えているうちに、いつもの木の下に着いた私たち。
「……おい」
「ひゃい!?」
うわあ。
色々ごちゃごちゃ考えていた時に突然呼ばれたせいで、なんか変な声になった。
しっかり裏返った。
ほら!!
ゆづくんもめちゃくちゃ怪しんでる!!
「な、ナンデショウカ!!」
背筋をびしいっと伸ばし、気をつけをする私。