あずゆづ。
必然的に、ゆづくんの綺麗な赤い瞳にとらえられ、もうすっかり目をそらすことなんてできなくなってしまった。
「……お前、何なんだよ」
「え……」
なんなんだよ、とは??
私、ゆづくんになにかしたかな……?
しかし、そのあとゆづくんの口から出てきたのは、想像を絶するものだった。
「俺のすべてがまぶしいとか一目惚れしたとか、離れないとか、わけのわかんねーことばっかダラダラと言ってきたくせに」
「……!?」
ちょ、ちょっと!?
待って待ってゆづくん!!
なにか、大きな大きな誤解をされておいでではありませんか!?
「悠太か」
しかし、そんな私の心とは裏腹に話を続けるゆづくん。
「!!?」
な、なぜゆづくんの口から黒の王子:ゆうちゃんの名前が!?
「お前、俺にひっついてながら、あいつにも手ェ出してんのか」
手を出すって……
どういうこと?
何を言ってるの?ゆづくん……?
「…ゆづ……くん…?」
もしかして、さっきの教室であった私とゆうちゃんの会話、聞こえてた……?
少しの沈黙の後、くしゃっと苦しそうに歪んだゆづくんの顔。
それを見て、胸がきゅうっと締め付けられるように傷んだ。
そんな顔しないで。
ゆづくんにそんな顔、してほしくないのに。