あずゆづ。
「あ、王子―」
すると突然ひよりが、私を通り越したずっと奥を見て片手を上げながらそう叫んだ。
「!?」
『王子!?』
ま、まさか。
「? ひよりちゃん?どしたの?」
王子と呼ばれて笑顔で近寄ってきたのは、まさしく(今なるべく会いたくないと思っていた)ゆうちゃんだった。
「今日放課後あずと一緒に甘い物食べに行くんだけど、王子もどう?」
「ちょ、ひより……!!」
バカなの!?
何言ってんの!?
普段人の事バカバカ言ってるけど、今のひよりのバカさ加減になら私でも勝てるよ!?
状況、分かってないでしょ!!
「あー……」
迷っている様子のゆうちゃんと目が合った。
「うん、俺も行こうかな」
「!?」
ゆうちゃんんん…!?