12時の鐘で消えた王子様







「僕?うーん……」




彼はしばらく考え込んだ。




「いろんなよびかたされてるんだけど、しいて言うなら、『王子』かな。」




王子──────。




その時、思った。




私はきっと、この名前を忘れない、と。




それから私たちは毎日のようにこの場所で会った。






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