12時の鐘で消えた王子様
あの時、レンは何か言っていたような気がするけど、私は泣き声でよく聞こえなかった。
話し終えると、少し気が楽になっていた。
ずっと寧々に話していなかったからだと思う。
こんな重い話、寧々は聞きたがらないと思っていたからずっと、話していなかった。
「で、今こうして再会した、と。」
「うん!」
少し恥ずかしかったけど、素直に頷いた。
「へぇ!でも、王子はなんで来なかったの?」
王子は重い口を開いた。