12時の鐘で消えた王子様







今度は、もう離さない。




10年前、手放してしまったものを、今度は絶対に手放さない。




その覚悟を決めて、俺は礼夢の唇にそっと、自分の唇を乗せた。




この10年間。




どんなに可愛い女の子に告白されても、俺はずっと断り続けていた。




この瞬間を…………




礼夢を、手に入れるために。






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