12時の鐘で消えた王子様







彼がいなくならないように。




「うん、そうだよ。」




彼は10年前より少し大人びた顔で言った。




夕日が彼の顔を眩しく照らす。




「長い間、待たせてごめん。れむ。」




「王子………王子…………!!!」




私は思わず王子に抱きついた。




10年前に止まった恋の歯車が、今、動き出す…………。






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