運命は二人を


私は、パリでのこと、今日のことを、全て話した。

美智留は、真剣に聞いてくれた。

でも、最後には、くすくす笑いだしたのだ。

「美也、あなた、初めて恋をしたのかもね。 」

「えっ、こい?」

「そう、彼に心を掴まれてしまったのよ。」


経験のない私には、これが恋かどうかなんて、わからない。

美智留がそう言うならば、そうなのだろう。

そうか、これが恋か。

「でもね、この恋は、もう駄目かもね。今日一緒にいた人が奥様かも知れない。 」

「そうだったら、諦めればいいのよ。私も、不倫は勧められないから。」

「不倫!」

「でも、まだ、わからないわよ。奥さんじゃないかも。喬斗とあなたのように、恋人同士に見える兄妹かもしれないし。」
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